かつて大手ハウスメーカーで市場調査を行う家賃審査部門に所属し、5000棟以上の物件を調べてきた、家賃設定とマーケティングのスペシャリストが「空室を出さない裏ワザ」を公開した。『満室の3倍儲かる非常識な投資法』は業界で大きな注目を集め、「こんな手法があったのか!?」と驚きをもって受け止められた。いままでの常識を打ち破る手法とはいったいどんなものなのか――。著者の三浦弘人氏にそのエッセンスを聞いた。

雑談の中から生まれた
新しい儲けのヒント

 以前、私の所有するアパートでは、退去が出てから申し込みがあるまでの空室期間が目立つようになりました。私の物件は沖縄で最も人気のあるエリアにあるのですが、それでも一度空室ができると、入居者が決まるまで無駄な時間がかかっていました。

 そんなとき、仲介会社の社長との雑談の中で、空室を埋めるヒントを得たのです。

「社長、もしビジネスホテルなら、この時期は1泊1万円くらい取れるんじゃないの?」
 「そうですよ。もしこのアパートが旅館業だったら、1泊から予約が取れるのに」
 「ホテルみたいに予約を取れないの?」
 「旅館業許可証を取ればできますよ。5年以上前に那覇市内で管理していたアパートの大家さんから同じ相談を受けたときに調べたことがあります。商業地域だったので用途変更が必要で、許可証を取って運営している事例があるんですよ」

 私はどうやって許可証を取り、どう運営しているのかが気になって仕方がありませんでした。そのアパートの場所も教えてもらい、案内してもらいました。外観はアパートですが、1階店舗部分がフロントになっています。

「手続きのお手伝いをしましたから、ある程度の申請手続きは覚えていますが、念のため調べておきます。わかり次第連絡します」

 翌日、社長から連絡がありました。結論からいうと、私の物件の用途変更は不可でした。消防設備業者さんと社長に話を聞くと、用途地域が問題でした。