このように、「ハイパーロボサーチ」で全件取得して、「ビッグデータ査定」で全件査定すると、査定価格と売出価格の乖離が判明する。それが私たちが考える「物件価格の割安度」である。査定が5000万円に対して売出が4800万円なら4%割安と判定される。こうして割安度の順番にソートしたものが「コスパ物件リスト」である。我々はここまでの処理を毎日行い、リストを出している。利用者は、こうしてコスパのよい物件を特定することができるので、高値づかみする可能性は低いし、購入時から含み益を出す可能性が出てくる。

 ただし注意しておくが、ここで言う「割安」とはあくまで私たちの査定結果との比較であり、何らかのワケあり物件であることもあり得るし、100%査定が正確とは言い切れないので、確実に含み益があることを保証するものではない。しかし、これまでの経験からして、これは目安とするに足る数字であり、物件を探す効率はいいものと考えている。

コスパ物件リストを使って
割安物件を狙う「噂の営業マン」

 うちの社員の名前が1人歩きしたことがある。社員のFさんは毎日「コスパ物件リスト」の上から電話する人である。売り主側の仲介会社に電話し、「ご紹介可能ですか?」と尋ねる、これを業界用語で「物件確認」と言う。売り主の仲介も価格を安く設定できたことは認識していて、早く決めたいと思っているところに、必ず同じ人から最初に電話がかかってくると「安めの価格のときだけ、なんでいつもあなたなんだ?」と思い、いぶかるという具合になる。不動産業者の間では、Fさんから電話がかかってくると、「見つかっちゃった」となる。

 年間で、首都圏だけでも約20万件が新規に売り出される。その時点で、売出価格が査定価格よりも割安な物件は10~15%(2~3万件)である。実際に成約している中古マンションは約4万件なので、割安な住戸は早々に買い手が決まり、平均1ヵ月半ほどで成約に至っている。実際に、10%以上割安な物件は全体の1%で、年間2000件となり、毎日5件ほどになる。こうした物件は早ければその日のうちに広告からなくなる。だからこそ、誰よりも早く見つけて、誰よりも早く内覧に行き(通常翌日の朝一番)、買い付けを入れてこなければ買えない事態になる。

「コスパ物件リスト」には、タワーマンション節税向け以外の物件も全て載っている。これまで私たちが電話していた物件は、「タワーマンション節税」に適した物件に限られていた。これを「ロボット仲介」として自宅購入や不動産投資をしたい人に提供しようと考えている。

 そこで選ばれた物件のうち、条件にあったものを顧客ニーズに即してリスト出力する。顧客ニーズは、「文京区の沿線指定で60~80平方メートル・6000~8000万円・築20年以内」といった具合となる。あなたの条件設定に応じて、ロボットが代行してコスパのよい物件をネット上から探してくれるというわけだ。