節税に効果的、という理由で富裕層を中心にタワーマンション投資が盛んに行われている。しかし、タワーマンションならどれでもいいのかといえば、そういうわけでもない。分譲マンションを新規に購入しても、その後、中古取引価格が低下していったのでは、資産価値が目減りする一方となるからだ。今回、初めて大阪市内にある61棟のタワーマンションについて、現在の相場価格を調査し、分譲時の価格と比較することで、中古騰落率を算出してみた。
大阪一の高額タワーマンションは
大阪駅北側のあの物件
1998年に竣工した阪神住建のキングマンション(天神橋II、堂島川)、三菱地所のOAPレジデンスタワー東館を嚆矢に、20年も経たないうちにここまで増えた。
中でも、北浜の三越跡に造られたThe Kitahama(北浜タワー)は高さ209メートル、54階建てで、今でも日本で一番背が高い高層マンションだ。上層階が軒並み「億ション」となったことでも話題を呼んだ物件である。
とはいえ、一番高値で取引されているタワーマンションの座は、グランフロント大阪オーナーズタワーに譲っている。2013年竣工のこちらの物件は、今に至るまで高人気が継続しており、70平方メートル換算の相場で7630万円する。分譲時と比較した中古騰落率は+31.9%と、堂々たるプレミアム物件だ。現在、第2期の開発計画が詰められている大阪駅貨物ヤード跡地再開発「うめきた」に立地しており、将来性も大いに評価されての人気である。
堂島小学校跡に建てられた住友商事と京阪不動産の堂島 ザ・レジデンス マークタワー(70平方メートル換算相場6230万円)が2番目に高く、阪急不動産のジオ グランデ梅田(同5950万円)、先のThe Kitahama(同5250万円)、天六阪急ビルの跡地に建つジオタワー天六(同4970万円)と続く。
70平方メートル換算の相場価格はかなり割安に感じられるかもしれないが、東京都心部の水準と比べると、平均分譲価格が6掛け程度の大阪市中心部の市場からすれば、やはり高額物件であることに変わりはない。