中央競馬に女性騎手は過去6人
しかし競馬界の壁は厚かった

 これまで中央競馬には6人の女性騎手がいた。1996年には増沢由貴子、細江純子、田村真来の3人、翌97年には押田純子、板倉真由子の2人、2000年には西原玲奈がデビューした。当時も男たちの勝負の世界に挑む女性騎手の出現は話題を集めたし、それぞれ応援されファンもついた。

 が、なかなか勝つことはできず次々と引退。一番長く続いたのは増沢由貴子で18年現役を続け34勝をあげているが、後半の9年間は1勝もできず騎乗機会も激減したため、ほとんど忘れられた存在だった。地方競馬には今も6人の女性騎手がいるが、JRAでは過去の例から見て、女性は通用しないのでは?と思われていたわけだ。

 そこに久々に登場したのが藤田菜七子。ひとりだけの挑戦ということもあって注目度が高いのだろうが、それだけではないファンを引き付ける何かを持っているようだ。

 まず騎乗成績。まだ川崎で6レース、中山で3レースの計9レースしか乗っていないが、2着2回、3着1回。男性でもよほど才能がある者を除き、デビュー直後は惨敗が続く。そんな厳しいレースでこの成績は立派だ。確かな騎乗技術を持っていることがうかがえる。加えて容姿も男勝りという感じはなく可憐。その藤田がレースになると、しっかりと馬を御し男性騎手を負かそうとする。そんなギャップが観る者の心をつかむのだろう。

 とはいえ他の騎手だってプロとして生活をかけてレースに臨んでいるのだから、なかなか勝たせてはくれないだろう。これからが大変だ。

 スポーツ界では女性の活躍が目立つが、多くの競技は男性と女性が分かれており、男性のなかに女性が混じって戦うことはほとんどない。筋力の性差が大きく、パワーやスピードで適わず勝負にならないからだ。

 数少ない男女混合の競技はエンジンや競走馬など他の動力を使い、それを選手が操る競技。競馬や競艇、オートレースなどだ。競艇には170人を超える女性選手がいて、女子限定だけではなく男女混合のレースも行われている。ひとつのレースで女性選手が勝つのは、よくあること。3日~6日の開催を通して成績上位者が進出する優勝戦で女性選手が勝つこともある。