民主党は、参院選で当然のように惨敗し、またもや「ねじれ国会」が出現した。

 私は、昨年の総選挙前から、今回の参院選で「逆ねじれ」が生じることを警告してきたが、残念ながら的中してしまった。

 私がそう警告してきた理由は、民主党の政権担当能力の欠如の一点にある。

 もちろん、自民党に充分なそれがあるわけではないが、自民党政権では官僚組織がその大半を担ってきた。要するに、民主党には、“政治主導”で政権を担当する見識も力量も備わってなかったのだ。さらに、民主党は政権担当能力が不充分であることを自覚さえしていなかった。

「ねじれ国会」の混乱を
避ける3つの秘策

 さて、このねじれ国会を前にして、どうすればよいのか。

(1)参院選の結果は、実質的に菅直人政権への不信任を意味している。これは否定できない。したがって、ねじれを是正したり、混乱を回避するために、最も望ましいのは、直ちに衆議院の解散・総選挙を実施すること。もし、総選挙で民主党が勝てば、参議院で少数派であっても“直近”の民意に立脚して政権運営がより容易になる。

(2)それができなければ、内閣総辞職によってけじめをつけること。これでも世論は大方納得するだろう。ただ、改造人事ではとても政権運営のための求心力は生まれない。

(3)(1)、(2)を避けるなら、最小限、菅首相の消費税10%発言を全面的に撤回し、首相自ら国民に対して混乱を招いたことを陳謝すべきだろう。