東京・池袋に本店を構える東武百貨店が、早期退職者を募るなど大規模なリストラを実施していたことが明らかになった。
関係者によると東武百貨店は、運営する池袋本店と船橋店で、昨秋から40歳以上の正社員を対象に早期退職者を募集、全社員の2割程度に当たる200人が応募して2月末に退職したという。加えて、一部の社員の給料も引き下げるなど、徹底した経費削減に乗り出している。
背景にあるのは業績不振。外国人観光客急増という追い風が吹き、都心百貨店はいずれも売上高で前年比プラス。にもかかわらず、東武百貨店だけは昨年6月以降、12月を除く全ての月で前年割れとなっているのだ。
東武百貨店が不振にあえいでいる理由は三つある。まず、同じく池袋に本店を構える西武百貨店が、セブン&アイ・ホールディングス傘下に入って以降、食品を中心に大規模な改装を実施したことで、顧客を奪われてしまった。
それまでは、日本で最大級の売り場面積を武器に、東武百貨店が優位に立っていた。それが、西武百貨店の改装効果が出始めた2年前くらいから立場は完全に逆転、それ以降、体勢を立て直すことができなかったのだ。