全国で29の日帰り・宿泊型の温泉施設を展開する大江戸温泉物語グループが不動産投資信託(REIT)を設立し、早ければ5月に上場を計画していることが本誌取材により明らかになった。
大江戸温泉といえば東京・台場で運営する大規模な日帰り温泉施設が有名。近年は外国人旅行者も多く訪れる観光スポットとなっている。
一方、経営不振に陥った旅館を買い取り、格安旅館として再生する宿泊型の施設も積極展開。1泊2食付き1万円程度の価格設定や、バラエティー豊かなビュッフェ料理、無料送迎バスなどのサービスが、平日はシニアのグループに、そして週末はファミリーに人気だ。
こうした日帰り施設や宿泊施設で年間約500万人を集客、2007年以降、売上高を毎年30%伸ばし続けており、16年2月期の売上高は約370億円と業績は絶好調だ。
昨年春からは、外資系投資ファンド、ベインキャピタルの傘下に入り、チェーンマネジメントの導入と強化を図っている。
外食大手すかいらーくを再生したベインのノウハウを吸収し、規模を生かした調達や体系的な人材育成、ビッグデータ活用などオペレーションとマーケティングの高度化を進めているのだ。
そうした中でREITを設立・上場する狙いは、ずばり新規出店の加速だ。現在は本州と四国にとどまっているが、北海道や九州でも新たに宿泊施設を展開するもよう。毎年4~5軒程度、新規出店するために、REITを活用して資金を集めようというわけだ。