凱旋門(がいせんもん)とは!
先回、第134講ではパリ中心 シテ島にあるパリ・ノートルダム大聖堂を取り上げました。今回は、そこから西へ5.4km、シャンゼリゼ大通り西端にあるエトワール凱旋門(*1)が舞台です。
エトワール凱旋門は、ナポレオン・ボナパルト(1769~1821)が建設を命じた戦勝記念碑です。彼は生きてその門をくぐることはありませんでしたが、門自体は1836年の完成以来、世界有数の観光地となりました。
そこから星状に12本の通りが延びる「星(エトワール)の広場(*2)」に作られたからエトワール凱旋門なのですが、ここは同時にフランスで最も交通事故の起こりやすい「交差点」でもあります。
欧州ではroundabout(ランナバウト、仏語ではrond-point ロンポワン)という「ロータリー型の交差点」が、よく見られます。ドーナツ型のロータリーに各通りがつながり、車はそのロータリーにそろそろと入ってぐるりと周って、自分の行きたい通りに辿り着いたらロータリーを出る、というもの。
多くは信号がなく、車が渦巻くロータリーに、入るも気合い、そこから上手く抜け出すのも気合い、といった代物です。
エトワール凱旋門には、シャンゼリゼ通りを筆頭になんと大小12本の通りが交差しています。直径約300メートル、12叉路の交差点なのです。
*1 日本では「凱旋門」というとこれを指すが、戦勝記念碑である凱旋門は、パリ内でも数ヵ所ある。
*2 現在の正式名称はシャルル・ド・ゴール広場