そうすると現金なもので、彼らが新入社員として入社した後でも、就職活動時の楽勝ムードが態度に表れてしまうようなのです。私たちが毎年6月に公表する『新入社員意識調査』でも、売り手市場の年は新入社員にやや自己中心的な傾向があると出ています。逆に就職氷河期のような厳しい状況では、ようやく内定をもらったという状況なので、腰が低い新入社員が多い傾向にあります。しかしそれは逆に言えば、「本音を隠す」ということになります。このように新入社員の意識には、就職活動時に売り手市場だったか、買い手市場だったかが、大きな影響を与えるのです。

 現在、新しい世代の新しい要素を取り入れないと生き残れない会社が多くなっていますが、各社で自己改革が難航していたのは、就職氷河期時代の新入社員たちが、変化が必要と気づきながらも、ずっと本音を隠して我慢している傾向にあったからだと考えています。

 それがここ数年、売り手市場で入社してきた若手社員が本音を言い始めて、会社に対しておかしいと思っていることに突っ込みを入れると、社会の変化への適応が遅れていた日本企業も、いやおうなしに変化せざるを得ないのかなと考えています。

 もちろん上の世代がなかなか変化を受け入れないのはいつの時代も変わりません。仕事のやりかたが変わるのは嫌ですよね。長年のやり方は変えたくないという“慣性の法則”が働くわけです。

 ただ、会社を時代に適応させるためには、社歴の浅い社員たちが主導することが必要です。設立から長い歴史を持っている会社ほど、若い世代が主導して変化してきました。ただ、ここのところ氷河期が長く続いたものですから、若い世代の気力を会社に取りこむことができないでいた。そうこうしているうちに、業績がぱっとしなくなった会社が見受けられるのではないかと思いますね。