「杭の偽装問題」で売れ行き悪化
入居者に物件満足度を聞いてみた

「杭の偽装問題」以降、がマンションの売れ行きが悪化している。安全・安心な業者はどこか。マンション入居者に調査を行った

「杭の偽装問題」がマンション販売 に影を落としている。大手デベロッパーが分譲した横浜の2棟のマンションが、建て替えの方向で調整されている。これ以外にも、別の大手デベロッパーの物件が都心で建て替えになったりと、たいていの大手には何らかの設計・施工ミスで居住環境に問題のある物件が過去に存在している。そうなると、買う側にとっては、どの売り主のマンションがいいのか、気になるところである。

「杭の偽装問題」が表面化したのは2015年10月。この手の問題は1件出ると、立て続けに出ることがある。その後、別のデベロッパーでも施工上問題がある物件が発表された。一連のニュースで購入側の不安感は助長され、新築マンションの売れ行きは悪化している。新規着工戸数や新築供給戸数は減少し、売り出した月の契約率は低下、新築・中古ともに販売在庫の増加が顕著になっている。

 マンションの売れ行きは、こうした買い手側のマインドで大きく左右されてきた歴史がある。消費税の駆け込みと反動減はその最たるものである。こういうときほど、「様子見しよう」では何の解決にもならないので、「どこの物件を購入すべきか」という拠り所を見つける必要がある。

 そこで今回は、杭問題を含めて既存の入居者にどの売り主が良かったか、調査した結果をお伝えしよう。その満足度結果から、「悔いのないマンション選び」のポイントを学んでもらいたい。

 施工上問題がある物件を購入した顧客側の憤懣やる方ない気持ちは、非常によくわかる。問題は施工者側にあることも明白である。しかしその後の調査で、データの偽装や情報の隠蔽は1人の心ない人の怠慢ではなく、工事担当者としては工期を延ばすこともできず、コスト負担することもできない状況で発生していたことがわかる。

 これは大きなプロジェクトに多くの人が関わり、問題があっても表沙汰にしにくいという根深い構造上の問題となっている。つまり、自分がもし杭の担当者だったりしたら、加害者になることもあり得る話と考えた方がいい。

 また、自分が住んでいるマンションに施工上の問題があったとしても、その事実を公表したら資産価値が落ちることが想定される。売り主や施工会社系列の管理会社の場合、隠蔽を指南する例もあると聞いたことがある。理由はともあれ、情報を隠すということはデータを偽装するのと同罪になる。発覚後の情報を入居者全員が毅然とした態度で公表できるだろうか。こうした問題は当事者意識を持って考えないと、他人事では何の解決にもならない。