「値引きで売る」のは間違い!?

 株式会社愛媛総合センター(不動産業・保険代理業/愛媛県)の丹後博文社長は、「かばん持ち」を体験して以降、「長所を伸ばす」ことに目を向けて、結果を出しています。

 愛媛総合センターは、不動産だけでなく、損害保険や生命保険の代理業も行っています。保険業はきちんと利益が出ている。だとしたら、利益が出ている事業を強化して、もっと利益が出るようにする。そして、利益が出ていない事業を縮小させる。愛媛総合センターは、保険代理業に力を入れた結果、利益が1.5倍になりました。

 多くの社長は、売れないものを売ろうとしています。
 売れない商品をキャンペーンや値引きをしてなんとか売ろうとするのは、間違った売り方です。
 売れているものを仕入れて並べておいたほうが簡単に売れます。

 お客様が買ってくれれば「正しい」。買ってくれなければ「間違い」です。
だから、自分たちの売りたいものを押しつけるのは、間違いです。

 自分の得意なところや売上が出ているところをさらに伸ばす。
 強いものをさらに強くする。
いちばん売れる商品を、さらに売るのが正しい

 中小企業の社長は、弱点克服に躍起になってはいけません。
それよりも、「自社の長所を磨く」ことに注力してください。

<著者プロフィール>
小山 昇
(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を毎年増収増益の優良企業に育てる。2001年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、600社以上の会員企業を指導しているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。
2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。
『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』(以上、ダイヤモンド社)、『99%の社長が知らない銀行とお金の話』『無担保で16億円借りる小山昇の“実践”銀行交渉術』(以上、あさ出版)、『【増補改訂版】仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】
http://www.m-keiei.jp/