品川の歴史は古い。大田区との区境には国の重要文化財「大森貝塚」がある。品川区には縄文時代から人が住んでいたのだ。有史以降も、奈良・平安の昔から交通の要地として発展を見せた。そのため、区内各地に多くの文化財が残されている。

 都並びに区指定の文化財は、小塚原と並ぶ江戸の2大処刑地だった「鈴が森刑場跡」をはじめ、文化財は150を数える(2003年時点、2010年現在は160)。23区中第1位の数だ。

 では、現在の品川区はどうなっているのか? 23区を比較する主な指標を並べてみると、面積10位、人口10位、人口密度11位、昼間人口11位、老年人口比率12位、事業所数11位、製造業出荷額10位、小売業販売額14位、所得水準10位、人口当たりの病床数10位、人口当たりの公園面積13位・・・・・・。

 おわかりの通り、主要な指標は「軒並み中くらい」で、これといった区の特徴が見えにくいのである。

ソニーをはじめ大企業の本社が居並ぶ
個性的な街のパッチワークで成り立つ区

 区北部の御殿山、池田山周辺は高級住宅地だ。かつソニーの本社があった大崎から目黒川沿いに東京湾までの一帯は大工場が多く、今もソニーのテクノロジーセンターをはじめ、ニコン、第一三共、明電舎、日本精工などの本社や研究所が集中している。

 大崎駅前、御殿山ガーデン、天王洲アイルは、再開発によって新しいシティコアへと生まれ変わり、高層のオフィス、ホテル、マンションなどが建ち並ぶ。

 五反田駅の南側は、TOCを中心とする卸売業の集積地。そして区の南西部は、町工場と住宅の密集混在地で、その中に武蔵小山、戸越銀座、中延などの商店街があり、今も活気に溢れている。

 一口に品川区と言っても、実態は様々な個性を持つ街が、パッチワークのようにつなぎ合わさっている。