神のごときデルタヘッジ

株式S・Tのオプションからもわかるとおり、オプション取引と同時に現物株式を売買することで、株価が上がっても下がっても損益がブレない状態=リスク中立を実現できる。このリスク中立状態を実現するために、現物株式を売買することをデルタヘッジと呼ぶ。実はこのデルタヘッジを知るだけで、あなたは神様にもなれるのだ。デルタヘッジとは何か説明しよう。

1年前、Uくんはある企業の株式現物1000株を1万円/株、トータル1000万円で購入した。Vくんは同じ会社の株を1万円/株で買う権利(コール・オプション)を1000株分購入した。

今日現在、その会社の株は1年前と同じ1万円で取り引きされている。

これらの情報だけで判断すると、UくんやVくんにとっては至って平和な1年間だったように思える。しかし実際はどうかというと……彼らのパフォーマンスには天国と地獄ほどの差がついてしまったのだ。

下図は問題の株式の1年間の変動を示したものだ。

こんな人は生命保険に入らなくてもいい?

1年前もいまも株価は1万円だが、その間に大きく乱高下している。その結果、Uくんは400万円以上の大きな損失を出し、逆にVくんは170万円以上の利益をたたき出したのだ。いったい何が起きたのだろうか?