北海道は自民、京都は民進が勝利
2つの補選結果は何を物語るか?

北海道5区と京都3区の補欠選挙と、安倍総理が決めた衆参同日選の見送り。参院選を睨んだ駆け引きが続くなか、足もとの政局が持つ意味を考えよう

 4月24日、北海道と京都で2つの衆議院議員補欠選挙が行われた。

 7月に迫る参議院議員選挙の前哨戦として注目を集めるなか、北海道5区(札幌市厚別区、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、石狩振興局管内)では自民党の和田義明氏が勝利。京都3区(京都市伏見区、向日市、長岡京市、乙訓郡)では民進党の泉健太氏が勝利した。

 民進党が誕生して初の国政選挙。北海道では接戦に持ち込み、京都では初の白星をあげ、勢いづいているようにも見える。

 実際、比例復活当選だった泉氏が晴れて小選挙区で当選したことによって、民進党は比例の1議席を増やした形となった。だが、本当に民進党は諸手をあげて喜んでよいのだろうか。

 一方、安倍総理はかねてから噂されていた衆参同日選を見送る方針を固めた。筆者は当初から「あり得ない選択肢」だと主張し続けていたが、今回の2つの補選の結果をきちんと総括した上で、改めてそれを論じたい。

 筆者は、マッキンゼーでコンサルタントとして働いた後、国会議員政策担当秘書として政治の世界へ飛び込んだ。与野党の国会議員事務所で2年半働いた後、兵庫県第10区(加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)より衆議院議員選挙へ出馬し、5万1316票を獲得するも落選。一民間人の感覚で政治の現場や裏側を見た経験を活かし、政治をできる限りわかりやすく、面白く、読者にお伝えしている。

 北海道5区は、もともと町村信孝・元衆議院議員の地盤であった。2015年6月1日に脳梗塞で亡くなったため、今回の補選が行われた。

 町村元衆議院議員と言えば、安部総理や小泉元総理も所属していた自民党最大派閥「清和政策研究会」の元会長であり、名実共に大物議員だ。その弔い合戦ともなれば、自民党としては負けられない戦いであろう。

 自民党の候補者は、和田義明氏(44)。亡くなった町村元議員の娘の夫にあたる。早稲田大学を卒業後、三菱商事へ入社。絵に描いたようなエリートキャリアである。