経済的自立を手放さなければ、もっと自由に近づける

 現に、いまは女性が社会で活躍するチャンスが、各所に転がっている時代。昔と比べて、昇進・昇格もしやすくなっている。そこにチャンスを見出し、家事や育児をプロにまかせながら、両立していくという道が選択肢に入ってもいいと思う。

 育児も素晴らしい仕事だが、社会の中で、自分の仕事を続けていると、「あのとき辞めなくて良かった」と感じるときも多いだろう。パートナーがリストラされたり、病気で倒れて働けなくなったりする可能性は決してゼロではない。そんなとき共働きで稼いでいれば、なんとか生活を維持できる。どちらかが働けない時期でも、大黒柱として家族を支えることができるのだ。

自分が一つひとつ積み重ねてきた実績を中断するのは本当にもったいない。だから「(短期的に考えて)損をするから」「(短期的に考えて)大変だから」「子どものためを思って」と考えて、あきらめてはもったいない。正社員であることのメリットを手放してはいけない。

 両立は大変かもしれないけれども、積極的にプロに外注しても、育休を思いっきりとっても働き続けよう。育児もそうだが、仕事も、長く取り組むことが多ければ多いほど、学びも、自信も、そして、信用も、あなたの中にもたらされ積み上がるから。

(『すべての女は、自由である。』より)

経沢香保子(つねざわ・かほこ)
株式会社カラーズ代表取締役社長。
桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。
2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」(https://kidsline.me/)を運営中。
著書に、『自分の会社をつくるということ』(ダイヤモンド社)などがある。
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