食中毒は、細菌、ウイルス、化学物質、自然毒(きのこ、フグなど)によって起こります。気温と湿度が高くなる夏季は、これらの食中毒が起こりやすい季節です。食中毒になると、腹痛、下痢、吐き気や嘔吐などの症状が現れ、生命にかかわる場合もあります。
食中毒対策としては、原因になるウイルスや細菌を「付けない、増やさない、殺す」の3つがポイント。
まず、「付けない」ために新鮮な食材を購入し、調理用具と手は洗剤やせっけんを使い流水でよく洗っておきます。特に、肉や魚など生ものを触った手で、生で食べる果物や野菜に触らないよう要注意。さらに、古い食材やキッチンのゴミなどと食品が触れないように気をつけます。
「増やさない」ためには、調理前の要冷蔵や要冷凍の食品は持ち帰ったらすぐに指定の方法で保存します。調理の途中でも室温で長時間放置すると、その間に原因になる菌などが増殖して、食中毒を起こしやすくなります。残った食品は早めに食べて、味やにおいに変化が生じたら、思い切って処分しましょう。
菌やウイルスを「殺す」ためには、加熱調理をする食品は十分に火を通しましょう。食品の中心部の温度が七五度以上で一分間以上加熱することが大切です。
同じ食事をしても、食中毒になる人とならない人がいます。疲労や睡眠不足、栄養の偏りなどがあると、体内の免疫機能が低下して感染しやすくなります。
また、手洗いも徹底しましょう。帰宅時、トイレのあと、食事の前には、せっけんで爪の周りや指の間までていねいに洗うことで、菌やウイルスの繁殖を防ぐことができます。
こうした基本を励行することが、食中毒の予防にはなにより大事です。
外食が原因で食中毒になる場合は、集団食中毒の可能性もあり、その飲食店の衛生管理に対して保健所などが指導をする場合もあります。そのため、保健所から患者宅へ調査員が訪れることもあります。
不衛生な飲食店での外食を避け、体調が悪いときは原因になりやすい生もの、調理が不十分な貝類、鶏肉、豚肉などは控える心がけも大切です。