あるいは、別の視点で考えてみましょう。
たとえば極端に考えてみると、このアイドルが毎日コンサートをしたら、年間で365億円も稼ぐのでしょうか。
このアイドルグループに限らず、もし何かイベントをやるたびに経済効果が期待できるなら、極端に考えれば、日本中で誰でもいいから何かしらイベントをどんどんやれば景気がよくなるということになります。しかし、実際はそんなことはありませんよね。それは、どこかにマイナス効果が存在するからです。
つまり、経済効果という数字は極めて曖昧な前提のもと概算された、マイナス効果が加味されていない数字である。これが、本質ではないでしょうか。
「極端に考えてみると」というキーワードは、ものごとの本質に迫る役割があるのです。そしていま、あなたはこの「1億円」という数字の裏を読み解くという行為をしたわけです。
購買率100%のDMって、本当にすごいの?
では、ここで考えてみましょう。
ある企業の通販担当者が、このような自慢話をしていました。
「私たちが作成しているDM(ダイレクトメール)購読者の100%が、実際に当社の製品を購入しています。すごいでしょ!?」
はたして、この担当者の仕事は本当にすごいのでしょうか。あなたなら、この100%という数字の裏をどう読みますか。
筆者なら、この100%という数字だけではすごいとは言えないと結論づけます。なぜなら、具体的な人数がない情報だからです。
極端な話、ダイレクトメール購読者が1名だけで、その人が購買していたとしても100%です。
極端な話、ダイレクトメールを購読していないお客様が1万人もいて、そのうちの半数は実際に購買しているとしたら、ダイレクトメールがなくても購買率は50%。なかなかの数字です。そもそも、ダイレクトメールなど必要なのかを疑う議論に発展するかもしれません。
表面上の100%に惑わされず、本質的な議論をするためのキーワードは、やはり「極端に考える」でした。
買った 買ってない
DM購読している人 1人 0人 1人
DM購読していない人 5000人 5000人 10000人