大学院では、2018年までにほぼ全ての講義を英語化するとのこと。日本国内で学んでいても英語力の必要性が高まることを痛感する話です。ただ、東工大のような優秀な大学で起きていることが、本当に一般の世界にも広がっていくのでしょうか。

 例えば、企業ではどうなのでしょうか。最近の英語力に関する職場事情に注目してみましょう。

「初級英語」必須求人が約半数!
上場企業は8割が英語研修実施

 英語公用語化で、多くの人がまず思い出すのが楽天でしょう。2012年、英語を社内公用語化すると発表して大きな話題となりました。同社は2008年にEC事業の海外展開をスタートさせ、海外のEC事業者を買収して傘下に収めてからは、海外展開を加速。当然ながら海外駐在や留学経験がない人材も海外企業とビジネスで関わることが増えていきました。

 すると当然ながらコミュニケーションを取る中で翻訳が必要になります。「海外企業とつながっている感じが生まれづらい」と三木谷社長が感じたことがきっかけで、この取り組みが始まったようです。

 実際、英語力が低い社員のため、学習機会の提供には時間とコストを惜しまない方針で、社内の英語力向上を進めてきました。英語公用語化の発表から2年も経過すると、社内会議の80%以上が英語で行われるようになり、社員のTOEICスコアも大きく向上。現在も英語を基準とした人事評価を厳格に運用中です。

 社員が部課長級などすべての役職へ昇格するにはTOEIC800点以上が必要で、2015年4月以降の新卒社員については入社時点で800点以上を取ることが求められているとのこと。日本で英語力を図る1つの物差しとされるTOEICテストは、初級レベルが500点以下。800点までが中級で、800点以上が上級レベルと言われます。転職支援サービスDODAによると、同サービスに登録しているビジネスパーソンで上級レベルの人材は全体の約1割。そうしたなかで、楽天は全社員を国内では貴重な英語力の人材の集団にするため、様々な手を打って実現に向かいました。