「無理に外に引っ張り出そうとする」
「自分が今まで受けた支援は、人にゴールを設定され、押し付けられるような支援だった」
引きこもり当事者たちが感じる“ブラック支援”ともいうべき「良くなかった支援」や「望む支援・良かった支援」のかたちが、引きこもり家族会が全国の当事者らに行ったアンケートによって、このほど浮き彫りになった。
こうした支援に対する様々な声は、「引きこもり経験者」だけでなく、家族や支援者からも集められ、『Hikky Voice』というA4版の冊子にまとめられ、関係者に配布された。
調査を行ったのは、43都道府県に59ヵ所の支部を持つ「KHJ全国引きこもり家族会連合会」。
冊子を制作したのは、家族会ではありながら、引きこもり経験者主体のスタッフ5人だ。
これらの声は主に、家族会のスタッフが、昨年度、全国22ヵ所で行われた『引きこもり大学KHJ全国キャラバン及び「当事者交流会」』の参加者1338人のうち、支援に対して回答した387人の声を集めたもの。
また、引きこもり界隈に関心のある多様な人たちの対話の場『引きこもりフューチャーセッションIORI』での対面聴き取りが行われたほか、KHJとIORIのホームページで掲載したWebアンケートの回答者51人の声も加えられた。
当事者が望むものとズレている
押し付け支援、中身のない支援
「従来の引きこもり支援は、“就労”とか“経済的に自立しましょう”といった型にはめる支援が多かった。その背景には、行政が成果を求めるという事情もあったんです」
冊子の制作に関わったスタッフは、出版のきっかけをそう説明する。