確かに、推薦したからといって自民党に責任があるとは一概に言えないが、自分たちが推薦した都知事が「せこい」事件で世間を騒がせた点についてはしっかりと「猛省」してほしいところである。せめて収支報告書の身体検査くらい、推薦を決める際にやっていただきたい。

 そして、私たち有権者もまた「次こそは」よりよい選択をできるよう、選挙の際には可能な限り政治家個人の資質を見て選択すべきだし、収支報告書があるなら目を通してみてもいいと思う。

「せこい」と言わざるを得ない
舛添都知事の公費使用例

 舛添都知事の公費の使用例を眺めると「せこい」と言わざるを得ない。

 家族旅行で訪れた千葉県内のホテル宿泊代を「会議費」名目で政治資金から支出したり、回転寿司での食事やインターネットオークションでの美術品の購入といった、どう見ても政治活動とは関係のなさそうな高額の出費についても政治資金を充てている。美術品については、舛添都知事は「海外の方との交流を行う際のツール」と説明しているが、相当に無理があろう。

 そもそも、上述した通り、東京都知事は高所得者である。都知事になる前はこれまた高所得者である参議院議員を務め、大学の教員やテレビタレントなどで大活躍だった舛添都知事ならば、それくらいのお金はポケットマネーで持っているはずだと思う。

 実際、疑惑が発覚してから一部の支払については返金することとしたが、それなら最初から自腹で払うこともできたに違いない。

 多くの方が誤解されているかもしれないが、実は、政治資金というのは使い道が特に規制されていない。したがって、何に使っても「法的には」問題ない。たとえば、舛添都知事が「家族旅行」の名目を「会議費用」と偽って報告していた件についても、道義上の責任はあれ、法的な問題はない。だから「せこい」のである。

 たとえば、筆者はホームページで平成26年分の東京都議会議員の収支報告書を適当に拝見してみたが、ある議員が代表を務める政党支部の収支報告書によれば、組織対策費として553万円が計上されているが、詳細は一切公表されていない。これは都議会議員の場合、5万円未満の支出は総額を書けばよいことにされているためである。すなわち、「法的には」問題ない。

 しかし、5万円未満の出費が553万円分もあるというのは、なんとも不思議な感じもする。このように、実際に収支報告書を眺めてみれば、多かれ少なかれ変なところが多いのが今の政治における会計報告の仕組みなのだ。

 読者の皆様も時間に余裕があれば、せめて自分の地域の政治家の収支報告書を眺めてみることをオススメする。

>>後編『舛添都知事ら大物政治家ほど「せこい」事件を起こす理由(下)』を読む