日常の人間関係でも使える
「リーダーシップ」の入門書

 ケン・ブランチャード博士の本はわかりやすい上に、ビジネスだけでなく、日常で活用できます。

 この『新1分間リーダーシップ』も、ビジネスのみならず、ご家庭でも使える一冊です。

 本書で描かれている状況対応型リーダーシップは、相手が誰か、状況はどうであるかによって、そのスタイルを変えていきます。ひとつのスタイルではなく、4つのスタイルに大きく分かれるのです。

 例えば、お子さんがテニスをやっていたとしましょう。お子さんはテニスに対して情熱を持っています。世界で活躍する錦織圭選手を見て、彼みたいなプロになりたいという夢をもっています。しかし、まだお子さんは、テニスを始めたばかりで、技能は優れていないかもしれません。

 そうしたお子さんに必要なのは、頻繁なアドバイスとたえずフィードバックを与えるリーダーシップです。お子さんのレベルがいまどのあたりなのか、何を身につければよいか伝えることが必要になります。それはサーブの改善なのか、ストロークなのか?はたまたちょっとした、ラケットの持ち方、グリップのチェックなどが必要なのか。

 しかし、ある程度習熟して、高い意欲を保ちながら技能を身につけている場合、まったく違ったリーダーシップが必要になります。細かい指示を出す必要はほとんどなくなるのです。大事なのは適切な質問。お子さんに質問をなげかけながら、試合や練習の中で多数の選択肢を検討できるようにサポートします。理想的な協調関係を築くことが必要になってくるのです。