筆者は折に触れ、自動車メーカーからクルマを借りてロングドライブを試みている。その経験に照らし合わせても、JC08モードと実燃費の乖離はバラバラで、ほとんどアテにならないというのが率直な印象である。

 例えば、2013年夏にホンダの軽自動車「N ONE」のターボモデルで東京~鹿児島間を3200kmほどドライブしたときの燃費は、なんとJC08モード燃費21.4kim/Lに対して満タン法計測で24km/L台であった。

 ロングドライブにおいては、チンタラとエコランしているといつまでも目的地に着かないのでキリキリと走る。また、渋滞があちこちで発生している一般道メインで、瀬戸内では最高気温39度という猛暑に遭遇するなどの劣悪な条件をはねのけ、カタログ燃費値がはるかに良いライバル車を上回るほどのリザルトを得られた。

「燃費のためなら何でもやる」
自動車メーカーの風潮

 JC08モードの走行パターンは公にされているが、実際、こんなにノロノロと走ったら確実に後続車の怒りを買うであろうほどに非現実的な走り方である。そのモード燃費とオンロードでの燃費は、必ずしもリンクしないのだ。

 それでも、減税がモード燃費によって決まる以上、その値が低ければ減税がなかったり、受けられても率が低かったりということになる。自動車メーカーはいきおいモード燃費対策に走らざるを得ない。「燃費のためなら何でもやる」という風潮は、このエコカー減税によってエスカレートしたきらいがある。もちろん、ユーザーに公平感を持ってもらえるようなシステムではない。

 不公平感の解決策として一番シンプルなのは、自動車税をはじめとするクルマの保有税を大幅に減額し、そのぶん燃料課税を増やすことだ。いくらクルマそのものの燃費が良くても、走行距離が長ければ排出ガスの絶対量は多くなる。逆に燃費の悪いクルマであっても、時たましか走らないのであれば、排出ガスは大した量にはならない。燃料課税の強化は公平性を担保するうえで大変有効な手段なのだ。

 しかし、日本では自動車関連税が多岐に渡り、複数の省庁が関わっている。省庁をまたいだ税制改正は権益争いの的となるため、ほとんど進まないのが実情で、実現は期待薄である。