おまけに2次試験に加えて、小論文や面接があることも忘れてはならない。

 これらを総合すると、現在の医学部受験は、中堅ランクの国公立大医学部で東京大理科Ⅰ類合格レベル、私立大医学部であっても早慶理工学部合格レベルの学力が求められる。

 なぜ、医学部受験はここまで過熱し、難易度が高まっているのか。

 まず、理由として挙がるのが、医師になれば、食いっぱぐれがないことだ。その気になれば、70歳になっても働くことができるし、医師は激務とはいえ社会的地位も高く、勤務医であっても平均年収は1000万円を超えてくる。

 それに加えて、08年以降、有名私立大の医学部が、相次いで数百万円単位で学費を値下げし、受験しやすくなったことだ。

 次に、これまでとは異なる受験者層が、医学部に流れてきていることが挙げられる。

 同じ理系でも理工学部などを卒業し、製造業などに就職してもシャープや東芝のように今の時代、いつ何時会社が傾くか分かったものではない。それは文系もしかりで、医師と並ぶ最難関資格の弁護士資格を取得しても、食べていけない弁護士が続出する時代だ。

 消極的な理由だが、世の中に医師ほど安定して収入が得られる資格がなくなり、優秀な層の流れ着く先が医学部ということが、過熱している要因の一つといえる。

 ちなみに、下位の医学部の難易度まで上がっている理由は、「かつて金を積めば入れた下位の医学部も、長らく多額の寄付金を集めたことで裕福になった。今ではちゃんと医師国家試験に合格できる、優秀な生徒を集めるようになっている」からだと、ある国立大の関係者は声を潜めて話す。

 では、ここまで難易度が上がった医学部に合格しているのは、いったいどういう層なのか。上表をご覧いただきたい。今年、医学部に合格者を出した高校を、合格者の多い順にランキングしたものだ。

 ひと目で分かる通り、大半が私立で、中高一貫校だ。医学部を目指すなら、「小学校のころから対策を立てた方がいい。早過ぎて困ることはない」(大手予備校)。