深刻な症状は「夜鳴き」
早めに獣医師に相談を

 ペットの認知症で、最も深刻な症状は「夜鳴き」だ。

「飼い主さんの健康も、家族関係も、ご近所との関係も、すべて台無しにしてしまう可能性があります。住宅街や集合住宅にお住いの方は特に大変ですね。どうしようもなくなって、泣く泣く殺処分する方もいると思いますよ。まあ、猫の場合は、夜鳴きしてもあまり大きな声ではないので、困り具合は小さいかもしれませんが」(小泉院長)

 また、夜鳴き以外の症状に関しては、「単なる老化」ととらえ、放置する飼い主も少なくないが、「おかしいと思ったら、早めに獣医師に相談してほしい」 というのが、獣医師の共通見解だ。

 人間の認知症と同じく、治療法も予防法も確立されていないが、認知症が疑われる症状のなかには、泌尿器系の病気などが潜んでいて、その疾患さえ治せば、困った症状が消えるケースもある。

 また、飼育環境や接し方を変えることで、予防や症状の進行を緩やかにすることもできるという。

「最近は高齢ペット専門の医療機関も登場しています。できればそういうところを選んで受診されることをおススメします」(小泉院長)

 他方、井本院長も次のように指摘する。

「ほとんどの飼い主さんは、ペットが大きくなると、子犬・子猫だった頃のような遊びはしてあげなくなるし、飼い主さん自身、高齢になってくると、お散歩の量も減ってくる。いけません」

「認知症予防には、脳への刺激が重要です。小さかった頃と同じように、遊んであげるとか、ブラッシングやマッサージによって皮膚から刺激を与えてあげるのがいいでしょう」

「あと、猫の場合は、身体をぐーんと伸ばしてあげるストレッチもお勧めします」

 井本院長はさらに、認知症症状の改善に効果を発揮するサプリメントにも注目している。それはフェルラ酸という米ぬかの抽出成分が配合されているサプリで、犬35頭、猫9頭に投与したところ、犬の夜鳴きでは64%に、猫の夜鳴きでは83%の割合で改善が見られたという。

 期待が湧く、明るいニュースだ。