家やクルマのカギにもなり
ポイントカード類にも対応可能

 使い方は簡単だ。筆者がカード会社に「指紋認証を使うよ」と登録しておく。利用する時は、自動改札のような形でスマホをかざすなどし、レジと私のスマホを通信させる。

 次に、レジがスマホに「本人確認よろしく」と要求してくると、スマホが筆者に「ご主人様、指紋を」とお願いしてくるのだ。私は指先をかざすだけ。スマホは、かざした指紋を「持ち主」と認識したら、レジに「OK、本人です」と伝える。その間、わずか数秒。では、たまたまスマホを忘れた場合はというと、ログイン時の入口はひとつだけでなくてよく、そんな時こそパスワードを使えばいい。

 すなわち、セキュリティレベルが高く、盗難や紛失の恐れがない「指紋」を使って本人認証ができるようになる、というわけだ。

 このシステムは、「パスワードレス認証の標準化技術」で「FIDO」(ファイド=Fast IDentity Onlineの略)と呼ばれるもの。MicrosoftやGoogleなども加盟しており、近々、日本でもよく聞く言葉になるはずだ。FIDOの特徴は、その名の通り「世界標準化」を目指したシステムであること。一度、スマホに「本人です」と認識させれば、複数のクレジットカード会社、通販サイトなどで使えるようになる。

 さらにはIoT(モノのインターネット)分野にも関わってくる。クルマや家、ホテルなどの鍵にFIDO対応の端末をつければ、スマホと指紋で「本人です」と証明し、鍵のかわりにすることができるのだ。ほかにも、会員カードを発行しているドラッグストアや飲食店など、多くの会員を抱え、誰がどれくらいポイントを持っているか確認が必要になる企業は、すべてFIDOを利用することで顧客の利便性が高まる。

 普及の鍵は、多数の会員を抱える企業がFIDO対応システムを導入するかどうかにかかっている。

 ちなみに現在、日本ではNTTドコモが「dTV」「dアニメストア」などのサービスで、一部スマートフォンのみ、FIDOを利用したログインや決済が可能になっている。画面に「生体認証でログイン」「生体認証で支払う」という項目が現われ、dアカウント(旧docomoID)やパスワードをポチポチ入力することなく利用できるのだ。各社がこれに追随すれば、JR東日本の『Suica』や西日本の『ICOCA』が一気に普及したように、スタンダードになる可能性がある。