12年連続3万人以上が自殺
政府は社会全体の問題として捉えるべき

「若い人の自殺の背景には、精神疾患に関係していることが多い。年間3万人以上の人たちが12年間連続で命を絶っていくのも、日本の精神疾患対策の脆弱さが、致命的になっているからと思われます」(西田氏)

 同構想実現会議でも、これまでの日本の精神保健福祉施策は、慢性化した症状の人たちを強制入院させるなどの「入院医療」が中心で、「一部の人たちの問題」として捉えられてきたと指摘。今後は、多職種の専門家によるチーム医療やアウトリーチの導入などにより、すべての当事者が自ら選択した地域で自立した生活を送れるよう、精神保健、医療、福祉の受けられるサービスシステムを実現することなどが必要だと訴える。

 そこで、同構想実現会議は、英国で2026年の精神疾患による経済損失を推計し、精神保健改革の実績を上げてきた医療経済学者のポール・マックローン博士を招き、10月3日(日)午後2時から『こころの健康国民フォーラム』を開く。

 また、引きこもり、虐待、路上生活といった社会問題の背景にある「こころの健康の危機」を克服するためにも、総合的で長期的な政策を実行する上で必要な「こころの健康を守り推進する基本法」の制定を求め、100万人の署名を集めている。厚労省は長妻前大臣から細川律夫新大臣に交代したが、この重い課題に、国は今後、どう取り組んでいくのだろうか。


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