ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しているということです!
「HOW(どうすれば?)」で考えれば、
必ず相手の役に立てる
私が現役CA(客室乗務員)だったころ、尊敬する先輩から、「お客様を笑顔にしたければ、いつも『HOW(どうすれば)』で考えなさい」と教えていただきました。
先輩は、「お客様が飛行機を降りるとき、『ありがとう』と思わずCAに言いたくなるようなサービスをしようと、毎便、毎便、心がけていた」そうです。
おもてなしに、画一化された正解はありません。その人、そのとき、その場所によって最良の選択は変わります。
だからこそ、感じ取る力、発想する力、想像する力を発揮して、
「どうすれば目の前の人に喜んでもらえるのか?」
を考えることが大事になります。
「言われたことだけ、決められたことだけをやっていればいい」と思っていると、思考停止状態になってお客様に寄り添うことができません。
お客様の心に残るサービスをするには、マニュアルの一歩先をイメージして「HOWで考える」ことが大切です。
鉄鋼王と呼ばれたアメリカの実業家アンドリュー・カーネギーも、出世ができない人には、
【1】言われたことができない人
【2】言われたことしかできない人
の「2つの特徴」があるといっています。
あるとき、機内のスーパーシートに、何度も咳込んでいるお客様がいらっしゃいました。
私が「お風邪ですか?」と声をかけると、弱々しくうなずきながら、「ノドが痛むのだけど、大事な会議があって休めなくてね」と困った表情を見せられたのです。
私は、「お客様に少しでも元気になっていただくには、どうしたらいいか?」を「HOW」で考え、私が、子どもの頃から、風邪をひいたときにしている「紅茶のうがい薬」をおつくりしました。
すると、お客様はとても喜んで、飛行機を降りるとき、「先ほどは、ありがとう」と、わざわざ私に言いに来てくださったのです。
そのときの、お客様の笑顔を、私は忘れることができません。
具合が悪そうなお客様のために、「自分にできることは何か?」を考えて行動し、その結果、お客様の笑顔がみれたことが、なにより嬉しかったのです。