「HOW」で考えれば、
なにかしら、必ず相手の役に立てる
シンガポールに出張に行ったときのことです。
宿泊先のホテルに、日本人の女性ホテルマン(Mさん)がいらっしゃいました。
この女性は、ホテルに勤務してまだ「8ヵ月」しかたっていないのに、驚くことに、お客様から「40通ものお礼状」をいただいていました。
あるとき、日本人の老夫婦が、5日間の日程でホテルに滞在されたそうです。ところがお2人は、いつ、何をするのか、まったく予定を立てていませんでした。
そのことを知ったMさんは、「シンガポールを楽しんでいただきたい」と願い、頼まれたわけでもないのに、「5日間の観光プラン」を立てて、ご提案したのです。
それだけではありません。滞在中の5日間、毎日ご夫婦に声をかけ、お2人のご要望をうかがいながら、プランをつくり直しすることもあったそうです。
「仕事」という枠組みの中で考えれば、観光プランの提案は、Mさんのやるべきことではありません。お客様から頼まれたわけでもありません。
けれどMさんは、常に「HOW(どうすれば?)」で考え、「相手の役に立ちたい」という思いで行動をしています。
そこまでするMさんだからこそ、多くの人に喜ばれ、「40通ものお礼状」をいただくことができたのですね。
「ノー」で終わらせることは誰にでもできます。
でも、困っている人がいたら、「どうすれば助けてあげることができるか」「どうすれば喜んでいただけることができるか」を「HOW」で考えてみましょう。
今の自分にできることは限られているかもしれませんが、「ノー」で終わらせないことを考えたいものです。
ささいなことでも、必ず「自分にできること」「自分にしかできないこと」があるはずです。
あなたの小さなやさしさが、相手に大きな喜びを与えることを忘れないでくださいね。