「DO=行動」から変えよ

 やはり簡単に変えられるのは、「DO」すなわち行動のほうなのだ。

 たとえば朝、皆に挨拶をするとき。まったく明るい気分でなくたって、一つ深呼吸し、「おはよう!」と声を張って言ってみよう。声だけは明るくできるし、明るい声を出すと、自然に表情も笑顔になるはず。こうしてあなたの気持ちとは関係なく、明るく挨拶することはできる。

 実際にやってみてほしい。それで変わるのは「DO」だけではない。言ったあとで、なんとなく気分もよくなっている。NLPでは「トリガー」という言い方をするが、本当にそうなりたいように行動すれば、意識のほうもそれに近くなっていく。

 つまらないと思っていても笑ってしまえば、何となく楽しくなってくる。

「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という心理学者による有名な言葉があるが、逆もまた真なりで「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」ということだ。

 同様に、自信がなくてもあるようにふるまえば、「できるんじゃないか」という気になってくる。

「Be(在り方)」が何も変わらなくても、とにかく意識的に「DO(やり方)」を、理想的な「Be」に合わせて変えてしまう。

 ためしに「楽しい、嬉しい」と声に出して言いながら暗い顔をしてみてほしい。難しいのではないだろうか。このように、人の行動と心はしっかりつながっているのだ。