父である森章前社長(現会長)の後を継ぎ、6月23日付で森トラストの社長に就任した伊達美和子氏。今後のホテル開発やオフィス事業の見通しを聞いた。
──都心でラグジュアリーホテルのオープンが続く一方、足元では高額品などのインバウンド消費は落ち込んでいます。ホテル需要に影響しますか。
確かに、高額品の消費は意外と短命に終わりました。次のステップとして、日本の知的文化度を楽しむような、よりラグジュアリーな層の外国人に来てもらうことを考えなければなりません。京都だけではなく、東京やほかの地方にもある特徴をわれわれも把握し、PRしていく必要があります。
海外のホテルの設備やサービスは多様化し、新たな需要を生み出しています。日本では今、どのホテルも好調ですが、次のステップに進むには、海外同様に設備やサービス向上のための投資が必要です。この数年で投資するか否かで、やがて差が出てくるでしょう。
──オフィス事業では現在、東京・虎ノ門や赤坂で開発を手掛けていますが、東京五輪までに都心でオフィスが大量に供給され、賃料下落が懸念されています。