今年は名古屋が日本の2大プロスポーツのタイトルを独占するかもしれない。
先週土曜(23日)の同時刻に地上波フジテレビではプロ野球のクライマックスシリーズ・中日―巨人戦、NHK・BS1ではJ1リーグ第27節・名古屋グランパス―ヴィッセル神戸戦が中継された。
中日は巨人の粘りに苦しみながらも9回裏、和田一浩のタイムリーでサヨナラ勝利。30日に始まる千葉ロッテとの日本シリーズに臨む。グランパスもJ2降格圏脱出がかかるヴィッセルの必死の抵抗に苦しんだが2-1で勝利した。
グランパスは7戦を残す現時点で勝点57の首位。2位鹿島と3位ガンバ大阪は49だから、勝点で8の大差をつけている。プロ野球流にいえば2・5ゲーム差で「優勝マジック」は5。5勝2敗でも優勝できるわけだ。
この時期に首位にいるチームは優勝が目の前にちらついて本来のプレーができなくなることが多い。しかもグランパスの場合は悲願のリーグ戦初優勝がかかっている。その重圧からこれまでのように順調に勝点を積み重ねることはできないだろう。かといって追いかける鹿島とガンバにしても、実力が拮抗した現在のJ1で残り7戦を全勝するとは考えづらい。グランパスは苦しみを味わいながらも優勝を勝ち取るはずだ。
つまり先週土曜は名古屋をホームタウンにする2つのプロチームが、ともに日本一に向けて大きく前進した日でもあったのである。
プロ野球とJ1で同一ホームタウン
同時日本一は未達成
ちなみにこれまで同年に同一都市・地域を本拠地にするプロ野球とJリーグのチームが日本一になったことはない。94年には巨人とヴェルディが日本一になっているが、この時のヴェルディのホームタウンは川崎だった。
05年には阪神がセ・リーグを制覇し、ガンバ大阪がリーグ優勝。「大阪の年」ではあったが、阪神は日本シリーズで千葉ロッテに敗れて日本一にはならなかったし、ホームの甲子園球場は兵庫県西宮市にあって、厳密には大阪が本拠地というより阪神地区全域をカバーするチームといった方がいい。ということで今回、中日と名古屋グランパスがもうひと頑張りすれば、名古屋が史上初の2大タイトル同時獲得都市になるのである。