8ヵ国を話すマルチリンガル・新条正恵が、2016年リオ五輪に通訳ボランティアとして参加。4年後の東京大会でボランティアでの参加を考えている人たちのために、五輪ボランティアの仕事について現場から日々の様子をレポートする。第9回は、初めて担当したメダルマッチの選手インタビュー通訳について。
急遽セブンズジャパンのサポートに
リオ入りしてから1週間はAirbnbを利用していたが、開幕日以降は他のボランティアたちと、同じホテルに宿泊している。試合によっては夜遅くに終わることがあるので、行き帰りに団体行動をとれるようにとの大会側の配慮らしい。
ツインの部屋をシェアしているルームメイトの桃代ちゃんは、この2月からサンパウロ大学に留学している大学生。業務に当たっているのは、私がメインでサポートしているホッケーセンターの北隣、ユースアレナと呼ばれる女子バスケットボールの会場だ。
桃代ちゃんは、女子バスケ日本代表「隼ジャパン」の試合がない日は、その西隣のデオドロスタジアムで7人制ラグビー男子日本代表「セブンズジャパン」の通訳サポートをしていた。前夜12時頃に帰ってきて「明日は7人制ラグビーのメダルマッチがあるんです、すごく不安で」と話すので、マネージャーに連絡をして急遽私もセブンズジャパンをサポートすることになった。
ホッケーセンターのミックスゾーンと呼ばれる、試合後の選手から“今の気持ち”をインタビューするエリアは、テレビカメラ用と記者用の取材場所がすぐ隣に位置している。しかし、デオドロスタジアムではテレビカメラ用のブロードキャストゾーンはフィールド横に、そして記者用のミックスゾーンはフィールド外に位置しているため、通訳が2人必要だったのだ。