警察庁では、自殺の原因・動機を、家庭問題、健康問題、経済生活問題、勤務問題、男女問題、学校問題、その他に分けている。

 そして、遺書などの自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を、自殺者1人につき3つまで計上可能とし統計をとっている。

 そのため、自殺の原因や動機が特定された人の数と、その原因・動機とされた要因の合計数は一致しないが、6つの要因のうちの家庭問題、健康問題、経済生活問題、勤務問題、男女問題、学校問題については、全体に占める割合は年によって大きく変動はしない。

 だが、原因や動機の中で、健康問題と失業などの経済生活問題が占める割合は、年によって大きく変動し、その度合いは景気の動向に密接に関係がある。

 具体的には、景気が悪く失業率が高くなると自殺率は上がり、逆に、好況で失業率が低くなると自殺率が下がる傾向がある(図1)。

 筆者の推計では、1998年-2018年の両者の相関係数は0.86になっている。

 失業率を1%低下させることができると、自殺者を3000人程度、減らすことができる計算だ。

 なお、こうした時系列については、トレンドの影響を受けるために、見かけ上の相関係数が高くなるという意見もあるが、トレンドを除去しても、失業率と自殺率の間には高い相関が見られる。