「米国で500ドルで売られているiPhoneの部品や組み立てコストを、サプライヤーの国別で見るといくらになる?」という記事が「タイム」誌5月16日号にあった。

 1位は日本の61ドル、2位はドイツの30ドル、3位は韓国の23ドル、4位は米国の11ドル、5位は中国の7ドル、その他の国合計48ドルだ。同記事は、日本は「米国ほど革新的ではないものの、その技術力はハイエンドの価値をたくさん持っている」と称賛していた。

 しかし、この文章におだてられて「さすが日本はすごい」と喜んでしまってはまずい。iPhoneの部品・組み立てコストは計179ドルで、残りの321ドルがアップルの粗利だ。同社は他国の技術力を巧みに利用して、がっぽりと稼いでいる。同記事は「製造・加工を行うより、革新性に富むほうがいつもよい結果を得る」と自慢げに解説している。「ものづくり日本」にとっては、悔しい話である。