宇宙からみた台風の目Photo:PIXTA
『週刊ダイヤモンド』12月29日・1月5日新年合併特大号の第一特集は「総予測 2019」。毎年恒例の超人気企画ですが、今年は、ありえないほどに大幅増強!なんと、40人の経営者がインタビューで登場します。さらに識者50人が株価や景気、為替、政治、文化を予測。また、週刊ダイヤモンド編集部の記者25人が金融、産業業界が、どう動くかも執筆しています。つまり、総勢115人が2019年を見通す、総合計272ページの豪華な一冊になっているのです!ここでは誌面の一部を紹介。日本の損害保険業界に起きつつある「異変」について解説します。

「地球温暖化に伴う気候変動などにより、水害等の自然災害の頻発化、激甚化が懸念される」

 これは、損害保険会社を監督する金融庁が、2018年秋に公表した行政方針の一節だ。

 監督官庁があえて懸念を表明したのには訳がある。それは、「近年、海外では北米のハリケーンなどで(中略)巨額損害が生じており、国内でも自然災害リスクにかかる支払保険金が高額となる傾向にある」(金融庁)からだ。

 実際、17年夏には北米地域に三つの大型ハリケーンが襲来し、家屋の倒壊など十数年に1度という規模の被害が発生。翌年は落ち着くかと思いきや、今度は日本国内で台風や豪雨による大きな自然災害が多発し、なんと18年に起きた風水害のうち三つが、過去の支払保険金額において10位以内に入ってしまうという異常事態になっている。