「ぼく、ホメられて伸びるタイプなんです」新入社員が何度も言ってくる→サラッと流すべきなの?写真はイメージです Photo:PIXTA

大人の日々は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめるトクな道を探りましょう。
※「お悩み」は編集部で作成した架空のモデルケースです。

今回の「お悩み」

 自分が課長を務める課に配属された新入社員は、明るいのはいいのだが、やや浮ついた感じがしないでもない。

 今のところ仕事の能力は未知数だが、何かというと「ぼく、ホメられて伸びるタイプなんです」と言ってくる。

 引っかかるセリフだが、ヘタなことを言うとパワハラになりかねない。サラッと流すか、いちおう苦言を呈しておくか、さてどっち?

選択のポイント

 春は新入社員との出会いの季節です。どの新入社員も未知の世界に足を踏み入れて、緊張したり肩に力が入ったりしていることでしょう。

 迎えるこちらとしても、ちまたには「最近の若者」に関するネガティブな情報が氾濫しているだけに、ちょっと身構えずにいられません。

「自分はホメられて伸びるタイプ」というフレーズをよく使う人は、たとえ念入りにホメられても、つけ上がりこそすれ伸びることはないのではないかと勘繰ってしまいます。要するに叱られたりダメ出しされたりしたくないという意味で、仕事や社会をナメているのではないか…と感じる人もいるのではないでしょうか。

 先が思いやられる新人ですが、それこそどんな人間なのかまだよくわからないだけに、言い方を間違えると面倒な展開になりかねません。「へえー、そうなんだ」と適当な相づちでサラッと流したほうが、無難といえば無難、安全といえば安全です。

 しかし、何度もそのフレーズを言ってくるのも違和感があるでしょう。そんな時は、新人の心得違いを直してあげるのも、上司としての大切な役目。「理解できない若者」という幻想に脅えて「腫れ物」扱いするのは、一種の職務放棄です。お互いの成長のために、言うべきことはちゃんと言ってあげましょう。

 もちろん、強い口調でキツイ言葉を投げつける必要はありません。皮肉交じりに「じゃあ、たくさんホメることができるように、どんどん伸びてね」ぐらい言ってもいいし、もう少しストレートに「それ、言わないほうがいいよ。ホメたくなくなるから」なんてのも一興です。

 どう受け止めるかは、結局は相手次第。せっかくの苦言を生かして成長してくれることを祈りつつ、こちらとしては全力で自分にできることをしましょう。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール