連邦規制より厳しい規制を導入しているカリフォルニア州連邦規制より厳しい規制を導入しているカリフォルニア州(写真はイメージです) Photo:PIXTA

来年の大統領選挙に集まる
自動車メーカーの注目は

 米国トランプ政権がCAFE(企業別平均燃費)の緩和を打ち出して約1年が過ぎた。「前オバマ政権が決めた2025年までの規制目標、50mpg(約21.2km/リットル)を白紙撤回し、トランプ政権としてのCAFE規制目標のドラフト(原案)をまとめる」と宣言した。

 早ければ今年8月にも新しいドラフトが発表されるだろうという観測があったが、現時点ではまだ発表されていない。しかし、自動車メーカーの注目は来年の大統領選挙に集まっている。

 米国のCAFE規制はGHG(グリーンハウスガス=温室効果ガス)排出目標とともに大統領が決め、その案をEPA(環境保護庁)やNHTSA(運輸省高速道路交通安全局)が承認するかたちで進められる。ほとんどの場合、大統領案が承認される。したがって、来年の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再選された場合は、27年から32年までのCAFE規制をトランプ政権が決めることになる。EPA長官は「オバマ政権時代に決まった燃費基準は妥当ではない」とコメントしており、CAFE規制が見直されるのは必至である。

 これに対し、自動車業界は「CAFE規制とGHG排出目標は段階的に強化されることが望ましい」という異例のロビー活動を行っている。規制緩和を訴えるのではなく、適度な規制強化を行うよう要望しているのだ。その理由は、カリフォルニア州による独自規制の存在だ。