ポルシェGT3RSが廃車寸前に!米暴動の被害を車両保険はどこまでカバー?スケボーで車を破壊するデモの参加者たち Photo:SOPA Images/gettyimages

全米で被害にあった車両は数千台?
ポルシェGT3RSも無残に

 アメリカで起きた、黒人男性が白人警官により殺害された事件(5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで発生)がきっかけとなった抗議行動は、全米各地で暴動や略奪に発展した。最初にターゲットになったのはパトカーなどだが、周辺に止めてあっただけのクルマ、そしてディーラーが襲撃されてショールームに展示されていたクルマも多くが犠牲になった。

 襲撃にあった自動車ディーラーは20カ所以上、とくにメルセデス・ベンツなどの高級車が狙われ、火をつけられたり壊されたりした。最高額の被害として報告されているのはカリフォルニア州ビバリーヒルズでデモ隊により廃車寸前にされたポルシェGT3RSだ。

 米国での市販価格は20万ドルをやや下回る程度(日本は2692万円)だが、レースカー仕様はユーズドでも40万ドルを上回る場合もある。憧れの高級車だ。このクルマが全体に落書きされ、すべての窓が割られ、スポイラーはもぎ取られ……と見るも無残な姿がSNSで拡散した。ディーラーの展示車は、火災保険に付帯する特約(雑危険種目保険)を契約していれば、暴動による損害は補償される。

 問題は全米で被害にあった車両だ。数百台、あるいは数千台に達するともいわれている。個人が利用するクルマが、「暴動でダメージを受けた場合に保険でカバーされるのか」という点が気になる。