写真:ニューヨーク証券取引所(NYSE)Photo:Spencer Platt/gettyimages

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米ゲームストップ株の急騰は「ウォールストリート(米金融街)」にとって悪材料になっているとの見方が広く浸透している。だが、それは米金融街をどう定義するかによって変わってくる。

 言うまでもなく、多数のヘッジファンドが拠点を構えるコネティカット州グリニッジやマンハッタンのミッドタウンなどでは、多くにとって先週は厳しい1週間となった。ゲームストップ株の下落に賭けていたファンドや、ショート(売り持ち)を積み上げていた会社は多額の損失を被った。半面、金融・トレーディング業界に勤めるその他大勢にとっては、それほど悪い週ではなかったかもしれない。

 一例として、米金融大手JPモルガン・チェースのアナリストは先週のリポートで、株式のロング・ショート戦略をとるヘッジファンドのパフォーマンスに連動するインデックスが1月26、27日に約2%の下落となったと指摘。それは異例の変動幅というわけではなく、「この分野で多額の損失が出たとすれば、少数のヘッジファンドに限られる公算が大きい」と述べた。