「シルクロードさんがいたら危なかった」フィッシャーズ「ババ抜き最強決定戦」参戦の元刑事が語る衝撃の舞台裏

人気YouTuberフィッシャーズ主催の「ババ抜き最強決定戦」が話題を呼びました。マジシャン、クイズ王、プロゲーマーなど、各業界から天才たちが集い、最強のババ抜きプレイヤーを決めるというこの企画に、元刑事の森透匡さんも参戦。人間関係の悩み、ストレス、不安など、多くのビジネスパーソンが持つメンタルの悩みを解決してくれる『刑事(デカ)メンタル』を上梓したばかりの森さんは、強靭なメンタルと、刑事時代に培ったウソを見抜く能力を武器に、熱い火花を散らしました。はたして、森さんはどんな戦略で勝負に挑んだのか? その舞台裏について聞いてみました。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)
※この記事は、「ババ抜き最強決定戦」のネタバレを含みます。以下、動画です。音が出るのでご注意ください。

最初はあえてババを引かせない作戦

──「ババ抜き最強決定戦」、とくに伊沢拓司さんとのバトル、ハラハラドキドキしました! あれは作戦だったのですか?

森 透匡(以下、森):刑事って、「ウソを見抜く専門家」なんですよね。私が警察に在籍していたのは27年、うち刑事として20年働き、累計2000人以上の事情聴取を担当してきたので、やっぱり相手の考えを読むのには慣れている。だから、伊沢さんの心理も読みつつババ抜きをしていました。伊沢さんとの勝負は、じつは作戦勝ちだったんです。

──そうなんですか! たしかに、誘導しているようにも見えましたが……。

:最初にトランプが配られたとき、先に私の手札にババがきたでしょう? あれを早く伊沢さんに渡してしまうとよくないので、最後のほうに渡すことに。最初はあえて、ババを引かせないようにしてたんですよ。

──ええ! ババを引かせないなんて、どうやったらできるんですか?

:伊沢さんの目の動きを注意深く観察していると、端のほうからトランプを引く傾向にあるとわかった。だからあえて真ん中のほうにずらして、引かせないようにしていました。それで終盤になってきたころ、彼が引きそうなところに置いて引いてもらうように誘導したんです。

──伊沢さんがどのトランプを引こうとしているかなんて、視聴しているかぎりではまったくわかりませんでした。

:伊沢さん自身は意識していなかったかもしれないけど、彼、目が結構動いていたんですよね。だから私はなるべく顔だけを見て、目の動きに集中して観察していました。

「シルクロードさんがいたら危なかった」フィッシャーズ「ババ抜き最強決定戦」参戦の元刑事が語る衝撃の舞台裏森 透匡(もり・ゆきまさ)
一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事 元刑事の人事コンサルタント。警察在籍27年のうち、刑事生活は20年。23歳で巡査部長に昇任し、知能経済犯担当刑事に抜擢。異例のスピードで同期生トップとなる35歳で警部に昇任。多数の凶悪事件、巨悪事件の捜査に従事し、冷静沈着な判断と指揮により事件解決に貢献した元敏腕刑事。また、東日本大震災では広域緊急援助隊の中隊長として福島県に派遣され、福島第一原子力発電所の水素爆発に遭遇しつつも命の危険を顧みず部隊の指揮を執った経験もある。心が折れそうな数々の現場経験から強靭な精神力を培う。現在は大手企業、経営者団体など毎年全国180ヵ所以上で講演・企業研修を行い、これまで7万人以上が聴講した。2020年には大手講師派遣エージェントより全国1万人以上の講師の中から人気No.1講師に選出される。日本テレビ系「月曜から夜ふかし」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。