「ウソを見抜く能力にたけた実力者」として、突如参戦することになったフィッシャーズ主催「ババ抜き最強決定戦」。ババ抜きとは、「JOKERを持っていてはならない」「JOKERを持っていたら、相手に取らせないといけない」、子どもの頃に誰もが経験したことのあるトランプゲームの一種だ。ある種、メンタルを鍛えるゲームなのかもしれない。対戦者は、くせ者ぞろい。果たして、『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を上梓した森透匡氏には、どんな結果がまっているのだろうか。メンタルが強いか、今、あかされる。
出場を記念して、本連載では、嘘の見抜き方を伝授。敏腕刑事の心理術を学べば、どんな相手を前にしても、緊張しないし、動揺しないし、不安になる必要もなくなる。メンタルを強くするにも、ぜひ知っておきたい技術の一つだ。
「話し方」のウソのサインは19種類ある
アメリカではCIAの元職員やFBIの元捜査官が独立してコンサルタント会社を設立し、ウソの見抜き方を教えている。ところがオレの知る限り、我が国ではそんな会社はない。実はオレが独立を決意したのは刑事として培ってきた「ウソの見抜き方のスキル」をビジネスで役立ててもらいたいと思ったからだ。
刑事の仕事はウソを見抜く場面の連続だ。ホシはもちろん、目撃者、被害者ですらも虚偽の証言をする場合がある。常に真実は何か、真実はどこにあるか、を考えながら仕事をしているのが刑事なのだ。
ではウソを見抜くにはどうしたらいいか?
人間はウソをつくと多少なりとも緊張する。やましいことがあればなおさらだ。そこでその緊張状態にあるときに何らかの質問をする。質問が的を射ていたり、ドキッとする質問であるとそれが刺激になって反応が現れる。それをオレは「ウソのサイン」と呼んでいる。ウソのサインは質問を契機に「しぐさ」と「話し方」に現れる。どちらか一方に、また両方でも2つ以上のサインが現れたらウソをついている可能性が高いというわけだ。
たとえば、奥さんから「今日はどこで飲んできたの?」と唐突に聞かれた場合、やましいことがなければ「新宿だよ」と即答できる。しかし、浮気をしていたり、何かやましいことがあったりすると、無意識に目をそらしたり、鼻の頭をかいたりしながら「え……あぁ今日? えーと……渋谷だよ」などと不自然な答え方になるはすだ。
質問が刺激になり、このような反応を引き出すのだ。
ウソのサインにはどんなものがあるのかを説明しよう。まず「話し方」のウソのサインは19種類ある。代表的なものは「逆切れ」だ。ウソつきはこの場をウソでごまかせないと感じると、最後の最後で逆切れしてかわそうとする。オレの経験から犯罪者は特に逆切れする傾向が高かった。また「余計な説明が多い」のもウソのサインだ。
ウソつきは沈黙が怖いので多くの情報を相手に与えて信用してもらおうとする。その結果、多弁になる。キミもウソをつくとよくしゃべるはずだ。その他にも「質問に答えることができない」「質問を繰り返す」「簡単な質問が理解できない」などもウソのサインだ。
さあ、ババ抜きでは、どうだろうか。言葉巧みに誘導することもあるだろう。どんな言い回しで相手を翻弄するのか見ものだ。もしかしたら、相手のセリフでJOKERのありかを判断しているかもしれない。ぜひ、チェックしてほしい。