決算報(損害保険)Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

東京海上、SOMPOは増収
MS&ADは前年同期比減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
 増収率:2.9%(四半期の経常収益1兆4554億円)
・SOMPOホールディングス
 増収率:4.1%(四半期の経常収益1兆815億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
 増収率:マイナス16.3%(四半期の経常収益1兆2983億円)

 損害保険業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社中2社がプラスとなった。一方で、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは前年同期比1割超の減収だった。

 経常収益の面で明暗が分かれた要因とは何だったのか。次ページからは詳細の数字とともに解説する。