カニカマ製造装置の
世界シェア70%を誇る

山口のカニカマ製造装置メーカーが世界トップシェアにまで急成長した理由ヤナギヤ3代目社長の柳屋芳雄氏

 カニカマの生産は、いまや日本よりはるかに海外が多い。ヨーロッパでは「SURIMI(すり身)」という名前で広まり、フランス人にとって日常的な健康食となった。アメリカでも「カニ風味シーフード」などと呼ばれている。

 欧米だけでなく、ブラジル、ロシア、リトアニア、中国、韓国、タイなど22カ国で60万トンが生産され、うち日本は5万~6万トンにすぎない。

 このカニカマの世界的な普及を支えているのが、山口県宇部市に本社を置く食品機械メーカーのヤナギヤだ。同社のカニカマ製造装置は20カ国に輸出され、世界シェアは約70%に達する。国内において、現状ではほぼ100%に近い。

 同社の3代目社長である柳屋芳雄(70歳)はこう語る。

「当社が積極的に販促して広げたわけではなく、世界中でカニカマを作りたいという要望が増えて自然に伸びていっただけ。海外の壁など感じたことはないですね。欲しい人がいれば、提供するだけです」