株価急落のNetflix、サブスクリプションモデルが曲がり角を迎えたワケNetflixのビジネスに見える消費者の「負の側面」とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

成長が急減速するNetflix
株価は半年で70%以上下落

「イカゲーム」や「ハウス・オブ・カード」など世界的ヒット作を生み出してきたNetflix の成長が急減速している。同社の2022年第1四半期の有料会員数は20万人減少した。

 会員数の減少は10年ぶりだ。第2四半期にはさらに200万人が減少する見込みだ。会員数減少や期待外れの決算を受け、Netflixの株価はわずか半年で70%以上下落した。

 会社側が説明する業績悪化の原因は、競争激化、ユーザー間のパスワード共有、ロシアでの事業停止、コロナ禍の状況改善による行動制限解除だ。これらは事実だが、原因の全てではない。

 後発の競合他社は、積極的に新しい領域を開拓し、コンテンツの質・量ともに改善させている。相対的に見て、Netflix のオリジナルコンテンツの質と量は低下している。

 料金改定も業績悪化を加速させた。8年前は月額9ドルだったNetflixの料金は、現在16ドルにまで値上げされた。映像のサブスクリプション型プレーヤーの中で最高額だ。

 ガソリンなど生活関連商品のインフレや金利上昇を受け、消費者は生活防衛を始めた。娯楽関連費用は削減対象となり、高額なNetflix の解約が真っ先に検討される羽目となった。