『そもそも、リーダーとして仕切る女性たちは「皆とうまくやりたい」「現在の地位を手放したくない」といった思いを優先してはいけない。上司と部下の関わりには一線を画しておくべきだし、リーダーはメンバーを率いて成果を出すことにコミットする義務がある。』
本連載では、経沢香保子さんの新刊『すべての女は、自由である。』の内容をベースに、お伝えしていきます。今回は、「リーダーとしてがんばる女性に伝えたいこと」です。(撮影・Junko Yokoyama)

「性別は関係ない。」
リーダーとしてがんばる女性に伝えたい

女性リーダーは、「皆とうまくやりたい」という思いを優先してはいけない

 「出資先とモメている」「部下との関係が悪化した」「年上の部下に気を使う」─起業家や管理職として活躍する若い女性たちから、そんな相談をよく受ける。

 今までいろいろな女性たちを見てきた。部下からの人気を得ようとして、個人的な相談に親身になりすぎたり、度を越した要望に応じたりするあまり、木を見て森を見ず、チームや組織全体の指揮をとれなくなるケースは少なくない。

 本来ならば強く言うべきときにも、気を使って思いを溜め込んでしまい、ひどい場合にはうつになってしまう女性もいるほどだ。

 なぜ彼女たちはうまくいかないのか。原因を紐解いてみると、チームや組織のトップに立つ彼女たちが、メンバー一人ひとりに嫌われたくなくて、気を使いすぎてビジョンやすべきことを明確に提示しないために、周りがついていけなくなるのだとわかる。

 そもそも、リーダーとして仕切る女性たちは「皆とうまくやりたい」「現在の地位を手放したくない」といった思いを優先してはいけない。
 上司と部下の関わりには一線を画しておくべきだし、リーダーはメンバーを率いて成果を出すことにコミットする義務がある。

 組織の調和を乱さないことは大事だが、だからといって個人的な要望を優先するわけにはいかない。