江戸時代には数多くの「藩」があった。俗に「江戸300藩」といわれるが、改易(領地の没収)になった藩も含めれば実数はもっと多かっただろう。それだけの数があれば、各地を治めていた藩主、いわゆる殿様に問題児が出現しても不思議ではない。

「酒好き」に「女好き」、「遅刻魔」、中には殺人などに手を染めた「犯罪者」まで――。歴史をひもとくと、そうした不届き者が殿様として権力を握っていた事例が数多くある。

そこで本連載では、トラブルを繰り返した「バカ殿」を実名で紹介。江戸時代における暗君たちの実像に迫っていく。