正解から解説まで公開している鷗友学園はサービス精神旺盛な学校の一つ

12月に受験生がやるべきこと

 新型コロナの感染は12月に入っても拡大の勢いが衰えず、年明けから始まる入試の不安要因となっている。とりわけ2021年1月16日から始まる初めての大学入学共通テストは全国で50万人以上が志願しており、万が一にもこの時点で感染が広がっている場合には、2月以降に実施される大学や高校の入試にも不穏な影を投げかけかねない。

 首都圏の中学受験生は、1月10日の埼玉、1月20日の千葉、そして2月1日の東京と神奈川でそれぞれ始まる入試まで残り1カ月前後となったことで、終盤の仕上げに余念がないことだろう。

 この時期にまずやるべきことは、志望校の過去問を直近3〜5年分ほど実際に解くことだ。新型コロナの影響で出題範囲の見直しもあるが、そのあたりは出題する側も早くに織り込み済みなので、あまり気にせずに問題を解いてみたい。

 実際に解いてみた時、どのような印象を抱いたかは結構重要だ。取り組みやすかったと感じられる入試問題の学校は自分に向いていると思っていい。

 一般的に女子に比べて男子は国語ができない。その点、男子校の国語の問題は難関校のものであっても比較的解きやすい。これが共学校になると、得意な女子受験生に合わせて作問されるので男子にとっては難しく感じることが多い。実際、点もとりづらいものだ。

 逆に算数がとても得意という女子は少ない。有名大学付属など共学校を主に受験したいという男子は、一般にクラスの人気者になるような女子受けするタイプが多い。共学校を受ける場合は、別学校と比べて、偏差値だけでは判定しづらい要素があることは知っておいた方がいい。

 新興の人気共学校の中には、前身の女子校時代に比べて飛躍的に入試問題が難化している例が見受けられる。こうした学校では、必ずしも入試問題が受験生に似つかわしくないのもあって受験生を戸惑わせるのだ。

 難関校はあまりやらないのだが、学校説明会で自校の入試問題の傾向をきちんと語れる学校は作問に自信を持っているところが多いように見受けられる。男子校で言えば東京都市大学付属、女子校では鷗友学園女子や吉祥女子などが、こうした学校の例と言える。特に鷗友は入試問題に模範解答と解説まで加えた冊子をつくって配るほどサービス精神旺盛な学校である。