2月1日午前入試の志願者数はどこまで増えるのか
首都圏では、1月の埼玉と千葉に続き、2月1日から東京と神奈川で中学入試が始まる。感染が爆発的に拡大中のオミクロン株に向き合っての受験である。やはり新型コロナ禍の中で行われた2021年入試は、事前の予想を覆して、全体で見ればほぼ20年並みの受験状況となった。21年2月1日午前入試の受験者数は、4万1251人で20年と同水準だったからだ。
では、22年入試はどうなるのか。これまでの四模試(四谷大塚、日能研、首都圏模試、サピックス)受験者数の動向を見る限り、前年に比べて、4月模試の時点では11.8%増、9月では5.6%増、最後の12月模試では4%増とだんだんペースダウンしたものの、22年入試は史上最大規模になる可能性が高いと思われた。ここに新型コロナ感染者数が東京だけで日に1万人を超える状況を迎えて、先行きが全く読めなくなってしまった。
今回は、2月1日の午前に行われる東京と神奈川の入試について、21年の志願者数が100人以上もしくは22年の出願状況に勢いのある学校を中心に取り上げ、24日までに公表された志願者数と12月の四模試での志望結果を織り交ぜながら見ていきたい。
21年は出願の出足が比較的早かったものの、22年は少し鈍い。コロナ禍で実力不足と判断した層が出願校のランクを下げる傾向は21年にも見られたが、22年はより安全志向が強まっている印象もある。Web出願なら入試前日、学校によっては入試当日の朝まで出願可能なので、ぎりぎりで数値が大きく動く傾向も強まっている。
「見えない受験生」の増加も22年入試の特徴かもしれない。模試で挙げる志望者の数が少ないため、偏差値が算出できない入試は多い。表4はそうした学校のうち、志願者が比較的多いところを挙げてある。これらの学校の入試へ、22年に増加傾向にある受験生がだいぶ流れているかもしれない。
一般に、実倍率が1.5倍を切ると、選抜機能は発揮しづらくなってくる。人気の「適性検査型」入試が典型だが、事実上全入状態となると、出願を締め切った後にようやく実際の人気具合が把握できるということが、今年は多くなりそうである。
今回は、四谷大塚の合不合80偏差値による難度順に、20年と21年入試の志願者数と実倍率、現時点での22年入試出願者数を加えた四つの表を作成し、それぞれ解説を加えていきたい。各表中の並び順は21年志願者数の多い順とした。次回は1月27日の公開予定で、近年著しく増加している2月1日午後入試についても、同様に見ていく予定である。