4月模試の共学校人気トップとなった早稲田大学系属早稲田実業学校。卒業生で一番の有名人は、昭和の昔から王貞治さんだろう 撮影:平野晋子

人気共学校上位を占める大学付属校

『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング』(ダイヤモンド・セレクト2023年8月号)では、首都圏と関西圏の2023年中学入試の振り返りと24年以降の見通しについても触れている。24年入試が23年同様、史上最高水準の受験率が予想される中、前回は4月に実施された三つの模試における男女別学の人気校について見てみた。今回は共学校を取り上げる。

 三つの4月模試とは、主に難関・上位校の志望者が多いサピックス、上位・中堅校志望者が集まる四谷大塚、そして中堅校を中心に上位校もうかがう志望者が多い首都圏模試である。この三つの模試での人気具合を勘案して、ランキングを作成した。この三つの模試のいずれでも第一志望の上位に挙げられる学校は少ないが、幅広い受験生の支持を受けているという意味で、重点的に取り上げてみたい。

 男女合算の人気ランキングから見てみよう(図1)。具体的な人数は記せないため、今回もできるだけその状況が分かるよう解説していきたい。1位は早稲田実業学校(早実)である。創立100周年を機に移転・共学化、いまでは特に多摩地区の女子受験生にとってトップ校となっている。今回は四谷大塚模試受験生の熱い支持が大きく貢献した。

 次いで、渋谷教育学園幕張(渋幕)である。例年1月22日は、東京の難関校志願者が多く受験している。同じ千葉県内でも、市川はもう少し幅広く中堅層まで支持を集めている。3番目には、首都圏模試受験生の圧倒的な支持を受けた芝浦工業大学附属が入った。のちに触れるが、特に男子受験生の票が集まっている。

 そして、慶應義塾中等部である。三つの入試いずれでも第一志望の上位に挙げられた共学校は、早実とこちらの2校のみだった。憧れの共学校の双璧ということになりそうだ。

 ここから先は男女別学校しかない立教大を除くMARCHの付属校が続く。青山学院は人気の男女格差が著しい。それは偏差値にも反映している。東京と横浜にある中央大の付属校は男女共に人気が高い。法政大は地の利もあって法政大学第二が圧倒的に強い。ランク外だが明治大は明治大学付属明治に人気が集まっている。

 模試ごとの人気校を見ていくと、サピックス受験生はこの早慶2校と、渋幕と渋谷教育学園渋谷(渋渋)を併願することが常とう手段となっている。その点、四谷大塚の受験生にはMARCHの付属校も人気だ。

 首都圏模試になると人気校の顔ぶれは一変する。芝浦工業大学附属、法政大学第二、中央大学附属横浜、青山学院、中央大学附属、市川あたりまでは四谷大塚やサピックスでも見かけたが、その後には成城学園青稜神奈川大学附属日本大学第二などが並んでいる。