灘、麻布、開成など東西の進学校が集まる「砂金甲子園!東西中高交流砂金掘り大会」。団体戦優勝旗を手にする原口大助校長
原口大助(はらぐち・だいすけ)

学校法人桐朋学園男子部桐朋中学校・高等学校校長

 

東京都八王子市出身。桐朋中学校・桐朋高等学校、京都大学文学部国語国文学科卒業後、1989年、桐朋中学校・高等学校に着任。担当教科は国語。クラブ顧問は野球部を担当。中学生活指導部主任、高校部長、校長補佐を経て、2021年4月、第11代校長に就任。併設する桐朋学園小学校の校長も兼任。

 

 

抜群の教育環境と施設に触れる

学園都市国立(くにたち)にある男子校、桐朋は2023年で創立82周年を迎える。陸海軍人の子弟を預かる山水(やまみず)中学校として創立され、戦後、東京教育大(現・筑波大)の協力校として再出発したことから、校章には東京高等師範学校由来の「五三の桐」が入り、現校名も「桐の友(朋)」から名付けられた。

――模試の志望状況を見ていますと、男子校では桐朋の人気が高いまま推移しています。以前は多摩や埼玉方面からの生徒が多かったと思いますが、この前、桐朋関連イベントをやりましたら、横浜方面からの参加者が増えていました。

原口 創立80周年の2021年度から新しい体制になりました。20年度から広報体制の強化も検討していましたが、コロナ禍もあって、ようやく22年度からフルに実施できるようになりました。説明会の日程は年6回で変わりませんが、1日2回ずつ全12回と、説明会の回数も倍増しました。

 おかげさまで説明会の予約開始日にはすべて埋まる状況でした。この2年間、学校見学会で環境や設備を実際に見ていただくことができなかったことで、受験生が減少したことは本校にとって本当に痛かったと思います。

――広々としたグラウンドもあり、校舎もまだ新しい。いまの男の子はきれいな施設が大好きですから(笑)。その上で、なかなかありそうでない「自由な学校」という校風にも着目されていますね。

原口 私も本校の卒業生ですが、昔はこんなにきれいな校舎ではありませんでした(笑)。生徒の生の姿を見ていただくという意味では、文化祭の桐朋祭に多くの方にご来校いただけたことも心強かったと思います。

――筑波大学附属駒場の卒業生に話を聞きましたら、文化祭の来場者のほとんどは受験生とその保護者だそうです。文化祭は一番良いアピールの場ですね。

原口 生徒が自由な発想でつくり上げています。今年の文化祭の大賞は、プラネタリウムの上映などに取り組んだ地学部が受賞しました。彼らは砂金甲子園にも参加しており、3連覇を果たしています。実際の大会は金鉱山のあった山梨県で行われます。砂金を見つけ出すためのトレーニングを水道の横で日々重ねております。

 生物部も人気ですが、密回避で入場者制限をしたため票が伸びなかったのではないかと、顧問は悔しがっていました(笑)。

――そういうマニアックな取り組みをしているような生徒を、先生方が後押しする文化が本校にはあるのでしょうね。

桐朋祭での大賞受賞は部活動の大きな目標の一つに。2018年度は生物部が受賞している(上) 桐朋祭での実演風景。地学部による砂金掘り(左下)と生物部の解説風景(右下) 写真提供(下の2点):桐朋中学校・高等学校
桐朋祭での大賞受賞は部活動の大きな目標の一つに。2018年度は生物部が受賞している(上) 桐朋祭での実演風景。地学部による砂金掘り(左下)と生物部の解説風景(右下) 写真提供(下の2点):桐朋中学校・高等学校
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